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開発の影に、ギルドワークスがいた。新しいペイメント体験を提供する【ポレット】開発ストーリー(後編)

合宿で危機を乗り越えたポレット開発チームでしたが、実は他にも複数の危機がありました。何があってどう乗り越えたのか、前編にひきつづき鈴木社長に伺います。



ポイントによる新しいペイメント体験


-これから、ポレットはどんな風に展開して行くんでしょうか?

鈴木様(以下敬称略):実現したいのは、余ったポイントをまとめて、1つのアプリで確認できるというもの。ポイントってどこにいくらたまってるかわからないじゃないですか。そんな余ったポイント、使わなかったポイントがポレットに1つにまとめられて、合算して使える。アンケートを取ったらTポイント持ってる人がかなり多かったんですよ。でもいくら持ってるかは誰も答えられなくて、調べるにはYahoo!IDと連結する必要がある。こういった煩雑なポイントの確認をもっとかんたんに、そして1つにまとめたい。今現在ポレットにチャージできるのは、ハピタスとポイントインカムという2つのポイントサイトからなんですが、今後はチャージできるポイントを増やしていきます。今年は上期5社、下期5社、合計10社を一年でやろうという計画です。

-みんながポレットを持つ世の中になったら、何が変わってきますか?

鈴木:ポイントで言うと、ポイントの価値が上がると思っています。企業からすると、わざわざ発行費用かけて出していたポイントが使われないまま終わっている現状がもったいない。ポレットと提携すると、「あそこのポイントはポレットにチャージできるから使うわ」と、ちゃんと使ってくれる。で、ポイントが活性化するんじゃないかなと。さらに将来はポイントサイトだけでなく、身近で余らせている金券(図書カード、ビール券など)といった金融資産もポイント合算できる仕組みの構築を視野に入れています。今後、電子マネーとかビットコインとか、さまざまな通貨が出てくる中で、ポイントが「第四の通貨」というか、非常に面白いペイメント体験になると思います。

-例えば、どんな体験でしょうか?

鈴木:クレジットカードだったら、引き落としで後で支払うことを考えるから、手放しで楽しい買い物じゃないんですよね。考えないといけないので。 でもこのポレットというカードは余らせていたポイントを使うので、あたかもお年玉を貰ったような気分になって、「何に使おうかな」と、純粋にわくわくした買い物に使える、今までは眠らせて余らせていた、勝手にたまっていたポイントの使い道が増える。たまるのが楽しくなるでしょう。
ポイントだから生まれる決済があるんですよ。例えば、東日本大震災のときハピタスでポイント募金をやったら1週間で70万円集まった。募金箱に100円はなかなか入れないですが、100円のポイントだったら募金したくなるんですよね。ユーザーにアンケートで聞いてみると「初めてこういう募金をしました」という人が多かった。これはポイントだからできることだと思っています。ポイントだからこそ気軽な募金。気軽な買い物、みたいなことができたらって思っています。



お互いの「嫌いなところ」


市谷:ここで終わってもいいんですが、せっかくなのでもうちょっと、予定調和じゃないエピソードを話しましょうか。
私は鈴木さんを尊敬もしてるし、大好きなんですけれど、一方でものすごく腹立たしく思うこともありまして…これは本当に両極端でして、鈴木さんも私のことを。

鈴木:ああ、そうですね(笑)。

市谷:このプロジェクトにお声がけいただいて、ちょっと「大変かな」とは思ってたんですが、やっぱり好きなほうが働いて、多少無茶でも鈴木さんの思いを支えたいと思っていたんですよ。でもプロジェクトが始まると、やっぱりガンガン揺れまして。揺れ幅でふらふらしてる時に、鈴木さんが察知したらしく、夜の10時ぐらいにうちのオフィスに「ちょっと話しをしようじゃないか」とわざわざと来ていただいた。そこで「どう思ってるんや」みたいな会話して、その後すごくやりやすくなった、という話があります。

-あえてここが嫌いというのはどこなんですか?

市谷:鈴木さんの中でいろんなからくりが動いて、結果「こう言ってたけれど、こう!」みたいな話がよく出てきてですね。どうでももいいところではなくて、割と方針レベルで。それを受け止めるのにこっちも相応の時間が必要になるところですね。アジリティ、超高いです(笑)

-鈴木さんからは、市谷さんを好き嫌いというのは?

鈴木:ありますね。シンプルにまとめすぎるところというか、賢い人なので、物事の本質を突いて本当シンプルに、パンッて言うんです。すごい伝わりやすいですよ。でも、それが習慣化されてるので、時と場合によっては投げやりというか、雑に見える時があるんですね。
基本的に自分は熱関係ですね。こっちはすごい熱い思いを伝えているのに「冷たっ!」みたいな。市谷さんがちょっとプロジェクトに冷めてる「うわ~なんだか温度低いわ~、一緒にやるって言ったのに何だよ~」みたいな。

-冷めるときは同時に? それとも片方は思ってて片方は冷めてるみたいな感じですか?

市谷:交互だと思いますね。じゃないと、両方冷めた瞬間に、あっさり終わるので。

-逆に両方熱い場面というのはあるんですか?

鈴木:腹割って話すと、実は根っこの部分では熱さが同じで、グッとまた盛り上がる。で、また徐々に徐々に下がっていく。その繰り返しですね。

市谷:本当にそうです。だから昨年の8月からよく持ったと思いますね。

鈴木:電話でも何回もやり取りします。フェイスブックのメッセージも大量ですよ。

市谷:尋常じゃないですね。そういう関係性ってほかにないですね。

鈴木:すみません面倒くさくて(笑)。

市谷:いえいえ、楽しくやっております(笑)。



出航した船を見送る


-お二人の間で熱の上下があったということは、メンバー全体の中でも結構あったんじゃないですか?

鈴木:メンバーも浮き沈みはたくさんありますね。
大きかったのは、他社のシステムに依存するプロダクトなので、向こうのやり方が相当こちらに影響するんですね。こちらの思想と全然違うので、そこで色々ありました。市谷さん来なくなっちゃいましたし。

市谷:これ以上会うと喧嘩になるって、私はもう行かなくなりました。

-破局の危機じゃないですか。それをどうやって乗り越えたんですか?

鈴木:うちのメンバーが表に立ちました。この子がメインになりましたね。初めてのプロジェクトでそんなスタートで。

市谷:そこはプロジェクトリスクとして認識してまして、彼女が中心人物で、追い詰められて揺れ動くときに、例えばコーチだったら厳しいことも言うのですが、プロダクトを決めたタイミングに届けるということを優先に考えると、現実に仕上がらないとどうしようもない。私がすごい厳しいこと言うんじゃないかと思われていたらしいのですが、チームの成長とプロダクトの完成と、バランスを取ることを意識的にやっていました。

鈴木:つまり、破局の危機を乗り越えた鍵は、彼女ですね。大きな成長か大きな挫折か、分かれ道は常にありましたが、常に成長を選び続けられる人材なんだと思います。
そうやって、チームメンバー自体が大きく成長していきました。

-もう助けがなくても運用できる感じですよね。この先ギルドワークスはどんな風に関わっていくのでしょうか?

市谷:関わらないです(笑)。例えると、船が出ていくような感じですね。出航されたので、我々はもう見送るだけです(笑)。というのは冗談半分ですが、次また手ごわい開発をやらなきゃいけない時には、また我々がお力添えすることがあるかもしれないですね。

鈴木:そうですね、この先、どうなるかはわからないですが、よろしくお願いします。

私たちのペイメント体験をもっとワクワクするものに変えてくれるポレット。
世の中を変えるプロダクトをさらに生み出すために、ギルドワークスは今日も熱い思いを支えています。

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